私は最近まで、障がい者雇用を狙って就活をしていました。
「障がい者雇用の面接って何を聞かれるんだろ?」と気になってネットで調べてみたのですが、意外と情報が少ない。
私は結構困ったので、実際に私が面接を受けて聞かれた質問と回答例集を作ることにしました。
うろ覚えなところも多いですが、大体の質問の意図を汲んでいただけますと助かりますm(_ _)m
では、どうぞ。
- はじめに:筆者の背景と障がいについて
- 障がい者雇用の面接で実際に聞かれた質問一覧
- どうして一般雇用ではなく、障がい者雇用で働こうと思ったのですか?
- ご自身の障がいについて、配慮事項も含めてご説明いただけますか?
- 業務過多が原因で体調を崩されたということですが、業務はどのくらい多かったのですか?残業は何時かでしたか?(発症の原因について)
- 会社に通われていた時も通院はされていたのですか?それとも休職のタイミングで通院を始められたのですか?
- 先ほど配慮事項を教えていただきましたが、その他に必要な配慮事項はありますか?
- 通院の頻度は~ですね?通院のためのお休みは必要ですか?
- ストレス解消法を教えてください
- 休職中は何をしていたのですか?
- 突然休職されたのでしょうか?急に倒れて動けなくなったのでしょうか?
- 休職後、同じ会社に復職しようとは思わなかったのですか?
- 会社を辞められてから、すぐに働こうとは思わなかったのですか?どうして就労移行支援事業所に通い始めたのですか?
- 就労移援事業所で受けている訓練の中で、役に立ったと感じる内容があれば教えてください
- 他にどのような訓練を受けていますか?
- ポイントまとめ
- 定番の質問もされるから用意してね
はじめに:筆者の背景と障がいについて
一言で「障がい者」と言っても幅が広すぎるので、まず私自身の状況を簡単に説明します。
・精神障がい者(手帳3級)
・転職組、これまでに2社経験 ※2社とも一般就労
・年齢は30代初め
・就労移行支援事業所に通所中 ※所謂ブランクはほぼない
・障がい者雇用枠での面接受験回数は6回
こんな感じです。
では、背景を踏まえたうえで実際に聞かれた質問を見てみましょう。
障がい者雇用の面接で実際に聞かれた質問一覧
どうして一般雇用ではなく、障がい者雇用で働こうと思ったのですか?
【回答例】
また体調を崩さないよう、セルフケアを怠らずに行なっておりますが、万が一の場合を懸念して障がい者雇用を選択しました。
会社で働く以上、自分の健康の問題は自分だけの問題ではないと考えております。
万が一、体調を崩してしまってお休みが必要になった場合、会社に迷惑をかけてしまうと考えたのと、休職をしていて就労にブランクがあるため、最初は無理をせずに働けるよう、配慮をいただきながら長く安定的に働きたいと考え、障がい者雇用を志望しております。
ただの甘えじゃないということを言えればOKだと思います。
「配慮してほしい」=「甘え」と受け取る方もいらっしゃるみたいなので、甘えたいのではない、自分なりにちゃんと考えて決めたんだということをきちんと伝えられれば問題ないかと思います。
ご自身の障がいについて、配慮事項も含めてご説明いただけますか?
【回答例】
私の障がいは抑うつ状態です。症状としては、抑うつ気分や気分の低下がございます。現在は睡眠と休養をきちんととったり、セルフケアシートを導入したりして常に体調管理をしており、心身ともに安定しております。
体調が悪化する原因として、低気圧と業務量の多さがございます。低気圧に関しましては、アプリを導入し事前に低気圧が酷い時を把握しています。低気圧が酷い時には、マッサージや休憩を普段よりこまめに取ることで対処しております。
業務量に関しましては、優先順位やペース配分について、適宜ご相談させていただけますと安心して業務に取り組むことができます。
病名、どんな症状があるのか、どんな対応をしているのか、説得力のある配慮事項を伝えられるよう、準備しておくことをお勧めします。
特に配慮事項に関しては、説得力があるかどうかが大事です。
ただ「配慮してください」では企業側も「どうして?そうすることでどうなるの?」となってしまします(;^_^A
「私には~という症状がある。そのために~という環境が必要で、それがあると安心して業務に取り組むことができる/作業効率が上がる」ということを伝えられればOKかと思います。
【追加質問】低気圧で原因で体調が悪くなるとおっしゃっていましたが、もう少し具体的にどんな症状が現れるのか教えていただけますか?
【回答例】
頭痛や集中力の低下といった症状が現れます。動けなくなって働けない、出社できないということはありませんが、作業効率が通常よりも低下する可能性がございます。
今だからこそ落ち着いてまとめられていますが、実際の現場で聞かれた時は予想だにしてなかったので、結構ボロボロな答え方しました(笑)。
何を聞きたかったのか分からなかったけど、あとでよくよく考えたら、企業側としては「この人は業務に支障をきたすことなく安定して働けるのか?」ということを見ているのかなと思いました。
【追加質問】先ほど体調を崩す原因について教えてくださいましたが、他にストレッサーになることはありますか?
【回答例】
先ほど申し上げたものだけです。
これも聞かれた時、とても困った質問でした。
「他になんかあるかなー!?」って鵜呑みにして考えてしまいました。
あとで就労移行支援事業所の担当職員に相談したら、「こころさんはストレッサーは~だけですから『他はございません』で大丈夫ですよ」って言っていただけて安心しました。
業務過多が原因で体調を崩されたということですが、業務はどのくらい多かったのですか?残業は何時かでしたか?(発症の原因について)
【回答例】
残業時間としては多い時で月に○○時間程度でした。
しかし、繁忙期は週6で出勤することが多かったので、それも体調を崩した原因の1つだと考えております。
また、どの仕事もそうではありますが、特に〆切厳守の仕事だったため、〆切に追われるプレッシャーも大きかったです。
これは人によって聞かれ方が変わると思います。
「どうして病気になったのか」「発症当時はどのような状況だったのか」を深掘りされると考えておけば、対策しやすいでしょうか。
嘘にならない程度に多少盛ってもいいかもしれませんが、なるべく事実を忠実に言うことをお勧めします。
会社に通われていた時も通院はされていたのですか?それとも休職のタイミングで通院を始められたのですか?
【回答例】
勤務しながら通院をしておりました。休職する半年ほど前から体調不良のため通院し始めました。休職するまでは服薬をしながら働いておりました。
正直に答えればいいと思います。
先ほど配慮事項を教えていただきましたが、その他に必要な配慮事項はありますか?
【回答例】
先ほどの事項だけで、他はございません。
これも正直に答えれば大丈夫かと。
私は、就労移行支援事業所の担当職員に相談して配慮事項を決めたのですが、用意したのは1個だけでした。
【追加質問】それだけでいいんですか?他に何か配慮すべきことはありますか?
【回答例】
もし可能でしたら、月に1度もしくは3か月に1度程度のペースで、上長と業務量やペースについて振り返る時間を設けていただけますと、安心して業務に取り組むことができます。
多分配慮事項が1つだけだったので、「本当にそれだけ?」と不信に思われたっぽく(笑)、やたら突っ込んで何度も聞かれました(;^_^A
でも本当に特にないので、支援事業所の職員と相談して決めた上記の内容を伝えたら納得していただけました。
通院の頻度は~ですね?通院のためのお休みは必要ですか?
【回答例】
はい。〇週間に1度、〇曜日に通院のため、その日はお休み(もしくは半休)をいただけましたら幸いでございます。
こちらも正直に答えましょう。
入社後にお互いに「こんなはずじゃなかった」「ここまでだと思わなかった」というズレがないようにすることが1番大切です。
【追加質問】今後、通院の頻度が減る可能性はあるのでしょうか?
【回答例】
はい。症状が良くなれば、減っていくと思います。
最初はこの質問をされた意図が分からなかったのですが、あとで就労移行支援の担当職員に聞いたら、「せっかくの休みの日に通院しなきゃいけなくて、休めない(疲れる)んじゃないか?」
→「疲労がとれなければ、業務に支障をきたすのではないか?」
という心配から来ている質問だったのではないかと言われ、納得しました。
正直に答えればいいと思います。
ストレス解消法を教えてください
【回答例】
体を動かしたり、友人と話したり、好きなキャラクターのグッズを眺めたりします。
いくら配慮をもらうとしても、何かしらのストレスは絶対に受けます。
その時にきちんとストレスを溜めずに解消できるのか?というところが見られています。
自分のストレス発散法を把握していて、自己管理ができていて、ストレスを解消できる力があるということをアピールしましょう。
障がい者雇用の方に限らず、自分なりのストレス発散方法はたくさん用意した方がいいと思います。
多ければ多いほどいいです。
人間生きていれば、絶対何かしらのストレスは受けますからね。
「休日の過ごし方を教えてください」という聞き方で来る可能性も有。
休職中は何をしていたのですか?
【回答例】
心身を休めるために実家に帰り、療養していました。
ゆっくりと体を休めたり、散歩をしたり、趣味を楽しむ時間を持つことで、少しずつ体調が回復しました。
休職されていた方は多分聞かれる質問です。
まぁ普通に気になりますよね。
次のステップに向けて心身を休めていた的な、前向きなことを言えれば問題ないかと思います。
突然休職されたのでしょうか?急に倒れて動けなくなったのでしょうか?
【回答例】
いえ、医師から休職を勧められた後、引継ぎ等もあったため、2週間ほど出社し状況を整えてから休職に入りました。
「うちの会社でもまた急に倒れて休まれたら困る」という意図の質問だったのではないかと。
でも正直に答えていいと思います。
正直に答えた上で、「現在は急に倒れてしまうことがないように、セルフケアを徹底している」とか「業務に負担を感じたら相談させていただきたい」とか、急に倒れないように自分なりに努力していることを併せて伝えられればいいと思います。
【追加質問】休職は初めから1年と決まっていたのですか?それとも最初は数か月の話だったのでしょうか?
【回答例】
最初は1か月というお話でした。延長していき、結果的に1年となりました。
休職を勧められる場合、基本的に最初は1か月単位とかじゃないかなと思います。
もちろん症状や病気の深刻度にもよると思いますが、「1か月くらい休んだ方がいいよ」って言う医師が多い気がします。周りの話を聞く分には。
会社の制度とかも影響してくる部分だと思うので、ここも正直に答えれば問題ないと思います。
休職後、同じ会社に復職しようとは思わなかったのですか?
【回答例】
復職しようと思っていました。
しかし、部長や人事と面談をする中で、業務量や~という仕事に対する配慮は難しいと言われ、万が一また体調を崩してしまったら、会社にも迷惑をかけてしまうと考えたため、辞めることを選択しました。
ここはある程度脚色してでも、聞こえが良いように言った方がいいでしょうね。
「あんなクソ上司のところに戻りたくなかった」とか言わないようにしましょう。
会社を辞められてから、すぐに働こうとは思わなかったのですか?どうして就労移行支援事業所に通い始めたのですか?
【回答例】
働こうとは思いませんでした。まずは、体力を回復させたり、体調を整えたりするところに専念したく、就労移行支援事業所に通うことにしました。
私のように休職期間が1年あってブランクがあったから、という状況だと言いやすいですが、休職を特にしていなかった場合はうまく答えられるように考えた方がいいかもしれないですね。
「パソコンスキルを磨きたかった」「(Officeなどの)資格を取りたかった」とか言ってもいいかもしれません。
就労に向けて前向きな姿勢でやってきました!という姿勢をアピールできればいいと思います。
就労移援事業所で受けている訓練の中で、役に立ったと感じる内容があれば教えてください
【回答例】
自分から報連相をすることや人に声をかけることに苦手意識があったため、SSTやディスカッションといったプログラムの中で、自ら積極的に発言する練習ができたので、とても役に立ったと考えております。
こちらは就労移行支援事業所に通っている人限定の質問ですが、通っている方は振り返ってまとめておいた方がいいかと思います。
自分にとって有益になっていなければ「通所の期間、この人何してたの?」と思われかねないですからね。
他にどのような訓練を受けていますか?
【回答例】
Excel講座やビジネスマナー講座、グループワーク等に参加しています。
純粋に就労移行支援事業所というところのイメージが湧かなくて聞いてくる面接官もいらっしゃると思いますし、何か意図があって聞かれる場合もあるでしょう。
相手がイメージしやすそうなプログラムを伝えれば、イメージが湧くんじゃないかと思います。
ポイントまとめ
面接官が見ているポイントとしては、
①自分の障がいについて、自己理解がきちんとできているか
②障がい(や症状)に対し、どのような対策を行なっているのか
③自分のストレッサーを把握しているか
④病気が発症してから現在までのストーリーをきちんと話せるのか
就労移行の職員さんからはこの4点だと教えていただき、私自身もそのように感じました。
もちろん障がいの内容によって多少違うことも聞かれるとは思います。
例えば身体障がい者の場合、バリアフリーの有無によって「階段しかありませんが大丈夫ですか?」とか聞かれる可能性があると思います。
精神障がい者の場合は、「発症の原因」「通院の状況」「どんな時に症状が出るのか」を特に深堀りして聞かれる印象を受けました。
けど、一度集団面接を受けたことがあり、身体障がい者や発達障害の方もいらっしゃったのですが、基本的に聞かれるポイントはほとんど同じ(上記①~④)ような感じがしました。
精神であれ、知的であれ、発達であれ、身体であれ、基本的には以下の流れで話せれば説得力があって、相手も納得しやすいと思います。
~という障がい特性がある
↓
就業にあたり、~というところが苦手(もしくは困難)だと感じる
↓
~という対処をすることで、特性を克服することができる
↓
そのために~という配慮をいただけたら、きちんと業務にあたることができる
記事が少しでもお役に立てば幸いです!
定番の質問もされるから用意してね
障がい者雇用と言えど、お約束な質問ももちろんされるので、対策しましょう!
私が聞かれたのは以下です。
・自己紹介
・志望理由
・職歴
・得意な仕事と苦手な仕事
・入社後にやりたいこと
・今までで1番大変だった(失敗した)出来事と、それをどうやって乗り越えたか
・過去1番成功したと思う出来事と、成功の要因
・1社目を辞めた理由
・2社目を辞めた理由
・配属希望部署(←普通はあまり聞かれない質問だと思う…)
・人柄(その強みと弱みも含めて)を教えてください
・一人暮らしか、それとも家族と暮らしているか
・【最終面接】他の企業の選考状況
・【最終面接】当社のイメージ(印象)
・(実習に行った場合)実習の感想
面接は数こなせば慣れていくし、前もって大体何言うかを準備しておけば、そこまで恐れる必要はないと思います。
とはいえ、こちらがどんなに念入りに準備したところで、予想外の質問は絶対に来ます(笑)。
そのことを分かって、何が起きても慌てずに、落ち着いて話せるように心の準備をしておきましょう。
「きれいに答えなきゃ」「こう答えるのがいいだろう」と考えるよりも、自分の思ったことを落ち着いて話すのが1番です。
ハローワークや転職エージェントでも面接の練習はしてくれるはずなので、うまく活用して面接突破しましょう!
ご武運をお祈りしております!\(^o^)/