セルフケアにお勧めの「K-STEP」

闘病の経緯

「就労移行支援センターでどんな訓練を受けているの?」とよく聞かれるのですが、私は主に自己管理(セルフケア)を中心に訓練に臨んでいます。

 木の剪定をするように自己管理をしなければなりません。しないから、問題が生じるのです。する人は問題が生じませんしないから問題が生じるのです

<自分という存在>も「神様が自分にくださったもの」です。だからもらったものとして、「自己管理」をきちんとしなければなりません。
全能者神様がくださったから、普通に思ってはいけません。<自分の肉>も<霊>も心を尽くして管理しなければなりません。

鄭明析牧師の御言葉より抜粋

御言葉の通り、私は自己管理がよくできなくてぶっ倒れたので、本当に自己管理の大切さをしみじみと感じます。

なので、体調や精神面の管理を自分でうまくできるようにして、仕事が始まってからも自己管理をよくできるように訓練中なのです。

では具体的に、どうやって自己管理をしているか?というと、私は「K-STEP」を導入しています。

前置きが長くなりましたが、今回は「K-STEP」についてと、実際使ってみてどうだったかについて書きます。

「K-STEP」って何?

「K-STEP」とは、川崎市が独自で開発した川崎就労定着プログラムです。

K-STEPとは、セルフケアを実践しながら就労定着を図るためのプログラムです。「セルフケアシート」に今の状態をチェックし、自分にあったセルフケアを実行します。就職後は職場や自宅でセルフケアを継続し、上司や同僚にシートの報告をすることで、障害や配慮提供等に対する職場の理解を促進します。

引用元:川崎市:K-STEP

セルフケアシートを使って自分自身も体調を確認し、また上司に報告することで状態を理解してもらったり、例えば「今日は調子が悪いから休憩を多めに取ろう」とか配慮をもらったりするようにします。

コミュニケーションだけではなく、職場でのセルフケアが促進され、無理せず長く働き続けられる効果があるのは良いですね(^^♪

大企業とかでも導入しているところが多いそうです。

「K-STEP」の特徴

K-STEPの5つの特徴

1.状態を見える化し、障害特性やセルフケアの理解を進めます。(障害理解の促進)

2.1~2分の報告で今の状態が共有できます。(状態共有の促進)

3.配慮要求や企業からの配慮提案がしやすくなります。その日の状態によって休憩時間をいつもより多くとるなどの配慮を受けることで職場でのセルフケアがしやすくなります。(配慮提供とセルフケアの促進)

4.毎日の報告により、職場のコミュニケーションが誘発されます。(相互信頼関係の促進)

5.導入にあたり、特別な設備や費用・維持費はかかりません。

引用元:川崎市:K-STEP

すごいのは無料で提供しているところ。

セルフケアシートや説明資料等、全部無料川崎市のホームページからダウンロードできます!

ただし、『K-STEP利用届出書』を提出する必要はあるみたいなので、ご注意ください。

具体的に何をするの?

ここではざっくりと説明します。

詳しい手順や方法については、川崎市のホームページに載っている説明資料をしっかりご参照ください

自分だけのオリジナルセルフケアシートを作成しよう

まず、セルフケアシート(原本)をダウンロードし、自分用にカスタマイズします。

セルフケアシートはこんな感じです。

引用元:https://www.city.kawasaki.jp/350/cmsfiles/contents/0000065/65084/04-selfcare-sheet-example.pdf

「サイン」というのは、簡単に言えば心身に表れる症状のことです。

例えば

良好サイン:人の話を苦なく聞ける、活動的、やりたいことができる、目覚めがすっきり

注意サイン:苛々する、やる気が出ない、ぼーっとする、面倒くさくなる

悪化サイン:「すみません」という言葉が増える、訳もなく涙が出る、不眠、人に触れられたくない

とか、心身に表れる「特徴」とも言えますかね。

「良好サイン」は文字通り調子が良い時、「注意サイン」はこのまま行ったら体調が悪化するという時、「悪化サイン」も文字通り調子が悪い時を示します。

特にこの「注意サイン」に気付いて、「悪化サイン」が出ないように喰い止めることがとても重要です。

なのでまずは「自分は調子が良い時、あんまり良くない時、悪い時、それぞれどんなサインが体に表れるのか?」を把握・自覚することから始まります。

03.セルフケアシート作成ツールver.6.0(PDF形式, 598.63KB)』という資料に、サインの例がたくさん載っているので、参考にして、自分だけのセルフケアシートを作成してみてください(*‘ω‘ *)

サインが列挙できたら、今度は「自分は何をしたら、うまく回復できるか?」ということを考えます。

例えば、「集中できない」というサインに対して「今やっていることと別の作業をする」「チョコを食べる」といった感じで、リカバリー方法を決めていきます。

最初は深く考えず一旦作成して、途中でカスタマイズしていくことをお勧めします。

やっていく中で「こういうサインもあるな」「このサインが出る頻度、多いと思ってたけどあっちの方が多いな」ということが起きるので(;^_^A

私も何回も変えています(;^ω^)

会社に着いたらすぐに記入しよう

セルフケアシートを作成したら、次はその日の自分に表れているサインにチェックを入れましょう。

「その日」と言っても、朝は調子が良くても、仕事でミスしたとか低気圧が来たとか、何かしらのきっかけでサインは変わりますよね。そこまで変わらない日もあると思いますが。

なので基本的には朝、昼、夜の1日3回チェックをする仕様になっています。

こまめにやるのが億劫であれば、最初は朝だけつけるとかでもありかと思います。

私の場合は、就労移行支援センターの開始が10時なので、朝起きてから10時までの間のサインを記録。

午後の1コマ目のプログラムが終わったら、昼の欄にチェックを入れる。

セルフケアシートを日報に挟んでいるため、夜の分は次の日通所した際にまとめて記入しています。

会社で導入する場合は始業前に書く感じになりますかね。

知り合い同士で個人的にやるとしても、朝早い時間に記入した方がいいです。

理由は次に説明します。

上司(にあたる誰か)に報告しよう

セルフケアシートを作成し、チェックを入れたら、上司(もしくは上司にあたる誰か)に報告をします。

この報告作業が大事だそうです。コミュニケーションを図れるし、報告までしてこそ「じゃあ今日1日どうやって過ごすか?」を話し合えるからです。

なので先述した通り、朝一でセルフケアシートを記入する必要がありますし、朝早い時間に報告してこそ、作業量やスピードを調整することができます。

会社で導入する場合は、上司に報告しましょう。

個人でやる場合、まぁチェックを毎日つけていくだけでも効果はあると思いますが、知り合いで見てくれそうな人と一緒にやって、お互いに報告し合うでも良いと思います。

教会で導入する場合は指導者に見せれば良いと思います。

使ってみた感想

結論から言うと、

めっっっっっっちゃおすすめ。

教会の人にもマジでおすすめしたい。ていうかやった方がいいと思っている。

おすすめする理由をいくつか書きます。

おすすめする理由①体調不良に対応しやすくなる

「K-STEP」で1つ大事なのは、「Aというサインが出たらBというセルフケアをする」と具体的に対処法を決めることです。

例えば、「人に触れられたくない」というサインが出たら「イヤホンをつける」「その場を離れる」「外散歩」という風に、具体的にそのサインに対して何をするかを決めて、リカバリーを図ります。

現在の自分のバッテリーが50%で「人に触れられたくない」というサインが出ている

→50%より下がらないためのリカバリー方法を実践することで、現状維持もしくはバッテリーの回復を図る

というイメージです。

具体的に決めて実践していくと、自然と「あ、今このサイン出てるから、次の休憩時間に○○をしよう」という思考回路になって、良くないサインが出たとしても対応できるようになります。

「あーこのサイン来たかーじゃあ△△するかー」という感じで、動じなくなります(笑)。

女性は分かりやすいと思いますが、例えば女性ホルモンのバランスが崩れるタイミングが分かると、心身が不調でも無駄に落ち込まないのと似ています。

原因がはっきり分かっているから、お腹を暖めたり、冷たいものを取らないようにしたりして、体をケアして体調悪化しないように気をつけますよね。そんな感じです。

おすすめする理由②どんな時に体調が悪くなるかが分かるから予防できるようになる

「K-STEP」では「トリガー」という言葉が使われているのですが、要は体調が悪くなるきっかけ(引き金)のことです。

例えば、私は低気圧に弱いので、低気圧の日は注意サインが結構出ます。

あとは、「K-STEP」を続ける中で、ベイマックスの新グッズ発売の情報を得た、もしくはグッズを買った(届いた)後は注意サインが減って良好サインが多くなったり、逆にプライベートで忙しいと注意サインが増えたり…といった「傾向」が見えて来て、どんな時に自分が体調を崩しやすくなるのかが浮き彫りになりました

なのでプライベートで忙しくなりすぎないように調整するようになりましたし、ベイマックス情報は積極的に探すようになりましたw

こんな感じで、結果として

①自己理解が深まる

②自分をコントロールできるようになる

ので、かなりおすすめです。

私は去年の6月から始めて、約10か月毎日続けているのですが、報告する中で「こころさんはこういう時、苛々が出ますね」とか「休日の過ごし方が、平日にも結構影響出ますね」とか、第三者の目で見て気づいたことをたくさん教えてもらったので、自己理解がとてつもなく深まりました

なので、本当にこれみんなやった方がいいんじゃないかと思っています。

何度も言いますが、

マジでおすすめです

問題は「自己管理(セルフケア)」

誰でも調子が良い時もあれば、悪い時もありますよね。

人間だもの。生きていたら仕方ない。

と言いつつ、私は「体調が悪くなる自分が悪い!波が激しい自分が悪い!いつも調子良くなきゃいけない!」と思い込んでいて、体調が悪くなると結構酷く自分を責めていました

でも、違ったんです。

体調が悪くなる自分が悪いんじゃない。

超絶悪化しないようにケアできるかどうか、これが問題だったんです。

 御言葉を聞いて生活に戻ったら、よくなくなるでしょう。どんなに頑張っている人も、突然、急下降する時があるでしょう。それから、急上昇、急下降。ジェットコースターのように上下上下。

あるいはジェットコースターほどではないけれども、山のように波々上がったり下がったり。あるいは、ずっとよかったけれどもちょこっと下がって、よくなってちょこっと下がってもこんな感じ。そういう波の上下の違いがあるだけで、みんなアップダウンするでしょう。

ずっと直線で行く人がいますか?自分は14年、15年、20年、30年の人生、私はずっと直線だったという人、いますか?手を挙げてみてください。波がなかった。ずっと直線だった。全世界一人もいないと思います。どのぐらいの波なのかということが違うだけではないですか。

鄭明析牧師の御言葉より抜粋

特に、低気圧。

人間は気圧にはどうあがいても勝てないという話を聞いて、なんかもう(良い意味で)諦めがつきました(笑)。

就労移行支援センターに通って、「K-STEP」を導入していただいてから徐々に調子が悪くなるのは仕方ない、問題はどう対処するかだ」と考えを変えられるようになってきました

私はこのように考えが変わるだけでも大分楽になりました。

無駄に落ち込んだり、自分を責めたりすることも減りました。

今まで、自分の心身の体調が悪い時、鞭打って無理強いさせて、根性論でだましだまし働いていたとしたら、今は理解して自分を労わって、体調に合わせてコントロールしている感じです。

今の方が断然楽だし、生きやすい。

就労移行支援センターへの通所が終わっても、個人的に続けようかなと思っています。

ツールをうまく利用して、自分とうまく付き合っていきましょう~(*‘ω‘ *)

この記事を書いた人
こころ

2015年8月に適応障害の診断を受け、2019年2月から1年1か月休職し退職。今は障がい者雇用枠で働いています⭐︎
自分の心理を分析しながら、心の傷を癒していっています(^^)
キリスト教福音宣教会会員として神様の愛を学びながら、自分と他人を愛せるように頑張っています☆
ディズニー大好きで、特にベイマックスが大好き!(●ー●)
ディズニーのアトラクションは、ベイマックスのハッピーライドが1番好きです!
(詳細については↑の「”こころ”」をクリック☆)

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