2014年に公開された大ヒット映画『ベイマックス(Big Hero6)』。
元々アメリカで作られた映画なので、字幕版もありますが、日本人は吹き替え版で見る方が多いでしょうか?
実は結構、字幕版と吹き替え版で違う点があるので、すっかりベイマックスオタクに成り果てたこころが、『ベイマックス』を字幕版で見てほしい理由を3つ説明します!
※以下、『ベイマックス』のネタバレ含みます。ご了承の上お読みください。
字幕版と吹き替え版では物語の終わり方が違う
1番大きな違いは、最後の終わり方が少し違うという点。
映画を見れば一目瞭然ですが、『ベイマックス』って思いっきりヒーローものなんですよね。
この物語には元々2つの軸があります。
一つはヒロという1人の少年の成長の物語。
もう一つの軸は、“Big Hero6″というヒーロー誕生の物語。
しかし、日本で公開されるにあたり「アメリカのヒーローもの」で押すと客が集まらないと判断されたみたいで、日本では思いっきり「癒しキャラベイマックスとヒロの物語」という1つ目の軸だけを全面的に押し出して宣伝していました。
題名も、元は”Big Hero6″なのが『ベイマックス』という題名に。
まぁ映画の題名を日本語に訳すにあたり、題名が思いっきり変わるのはディズニーあるあるですが(;^_^A
(例:”Tangled”⇒『塔の上のラプンツェル』/”Onward”⇒『1/2の魔法』等)
ヒーロー感まるまるカット(笑)。
原語版と吹き替え版の間に生じたこの微妙がズレにより、なんと映画の終わり方が字幕版と吹き替え版で若干異なるという事態が生じてしまったのです。
先述した通り、元々は”Big Hero6”誕生の物語でもあるため、字幕版は終わり方がマジでかっこい!!
アメリカでは、Big Hero 6(スーツ姿)のヒロたちが全面的にポスターに出ていて、広告を見るだけで「あぁヒーローものの映画なんだな」と分かるような広告のされ方がされていたみたいです。
なので広告を見て来た人からすると「このヒーローたちは誰なんだろう?」状態。
しかも前半は全然ヒーローものっぽくないから「?」状態で見ていく。
物語が進み、最後の最後になって、ヒロたちがヒーローとして活躍していくのだと理解します。
そして、最後の最後にヒロの台詞。
“Who are we?”(ぼくたちは誰か?)って問いかけたと思ったら、この”Big Hero 6“のロゴがどーんと出て来るんですよ。
Who are we?
Big Hero 6(どーん)
そして観客たちは「なるほどね~!」となり、ヒーロー誕生の瞬間を目にして終わるのです…。
ああああああかっけぇぇぇぇぇぇっぇぇぇぇぇぇぇぇ(*ノωノ)
吹き替え版では、日本語のロゴを『ベイマックス』にしてしまったため、「ベイマックスと共に」というヒロの台詞+『ベイマックス』のロゴが出て来て終わります。
”Big Hero 6”誕生の物語が全然感じられなくて、私は初めて吹き替え版を見た時悪い意味でびっくりしました(-_-;)
物足りなさを感じるというか…言語の壁、大きいわーと悲しくなりました(~_~;)
なので字幕版マジでお勧めです。
最後が超感動する。
ちなみに日本で発売されているDVD/Blue-rayは、字幕で見たとしても、何故かラストは吹き替え版の終わり方です…( ;;)
(ヒロの”Who are we?”がカットされていて『ベイマックス』のロゴが出る)
ディズニープラスで配信されているものも、音声を英語にしてもロゴが何故か『ベイマックス』…。
でもヒロの”Who are we?”の台詞は残っているため、Who are we?⇒Baymaxという謎の仕様になっています。
なので本当の本当の終わり方を見たかったら、Amazonの字幕版レンタルを見るしかないかもしれません…(ノД`)・゜・。
※私が見たのは2年前(2020)なので、もし変わっていたらすみません。
終わり方がマジで痺れてかっこいいので、初見で見るなら字幕版を強くお勧めします。
ヒロと周りの人の関係性がよく分かる
吹き替え版でも十分タダシやヒロ、ベイマックスとヒロの仲の良さは伝わってきますが、字幕版はもっと仲の良さが感じられる場面がちょこちょこあり、余計に泣けます。
まずはタダシとヒロ。
兄弟だし一緒に住んでいるから当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、ヒロってタダシが使う言葉を無意識によく使っているっぽいんですよね。
例えば、冒頭でタダシが”Unbelievable(信じられない)”という言葉を使うのですが、ヒロもこの”Unbelievable”という言葉をよく使っているんですよね。
「あー仲良いから口癖移っちゃってるんだなー仲良いんだなー」って感じられてほっこりします。
しかし、吹き替え版ではタダシの”Unbelievable”は「困ったやつだ」、ヒロの”Unbelievable”は「もう何なの!?」や「信じらんない」等、全く別の言葉に置き換えられています。
なので、字幕版で感じられるほっこり感を感じられないんですよねー(;^_^A
ベイマックスとヒロとの関係においても同じことが言えます。
2人が同じ言葉を使う、というわけではないのですが、1つ重要な単語が出てきます。
それが何かというと、”Buddy“という単語です。
“Buddy”は英語のスラングで、「近しい友達」「親友」「相棒」といった意味があり、多くは男友達の間で使われる単語です。
ただし!!ただの友達ではなく、ニュアンス的には「心の内を何でも話せる友達」です。
この”Buddy”という呼びかけをですね、ヒロがベイマックスに使うんですよ!!!
しかも、(おそらく)それまで誰にも話さなかったであろう、タダシを失った悲しみを、ヒロが初めてベイマックスに話した後、ヒロがその時初めてベイマックスのことを”Buddy”と呼ぶんです。
「何でも打ち明けられる相棒」認定されたということで、
ヒロぉぉぉぉぉぉっぉぉぉぉぉベイちゃああああああああああぁぁぁぁぁぁぁん(ノД`)・゜・。
ってなります。
その後もちょいちょいヒロがベイマックスを”Buddy”と呼ぶので、胸がキュンとします。
ヒロがベイマックスに見せるその信頼感や友情を見せつけられてからのあの涙のエンディング…余計に泣けるわけですよ。
“Buddy”のニュアンスを日本語で表すのは難しく、吹き替え版では丸ごとカットされています。
決して翻訳が悪いという意味ではありません。
仕事で翻訳作業をしたことがあるので、翻訳の難しさはよく分かります(-_-;)
しかもアニメの吹き替えとなると、口の動きも合わせないといけないから余計に大変!!
なので、字幕版と吹き替え版で誤差があるのは致し方ないと思います(;^_^A
ただ、字幕版で見るとこの”Buddy”の一言から伝わってくるヒロとベイマックスの心の近さが…もう…
尊い
というお話です。
ベイマックスのロボット感を感じられる
字幕版でしか楽しめないものの1つが、ベイマックスのロボット感です。
「どういうこと?」と思われるかもしれませんが、ベイマックスはケアロボットなので、省略形を使いません!
例えば、人間なら9割以上が省略して使う”I’m,” “He’s,” “I’ll”等は使いません。
すべて”I am,” “He is,” “I will”となります。
ロボットっぽい。
機械的な喋り方だなぁと感じます。
絶対省略しないんですよね。
しかも喋り方も丁寧だし発音が明確だから聞き取りやすい。
結構英語の勉強にもなりますよ★
まとめ
いかがでしたか?
『ベイマックス』字幕版のお勧めポイントをまとめると、
①字幕版の方が終わり方が痺れるぜ
②ヒロと周囲の人たちとの距離感をより感じられる
③ベイマックスのロボット感が感じられる
こんな感じです。
吹き替え版は吹き替え版でお勧めポイントありますが、今回は字幕版のお勧めポイントをご紹介しました(^^♪
字幕版もぜひ!ご覧ください!